本郷の老舗旅館「朝陽館」3月閉館 レポート②
大きくモダンな石灯籠の迫力に圧倒されるエントランスを進むと玄関が現れます。
竹の意匠が施された玄関ガラス戸の装飾に目を奪われながら、中へ入るといかにも老舗旅館らしい広くて雰囲気のある玄関ロビーに迎えられます。大きな古時計に大きな熊手、石油ストーブとずらっとらぶスリッパ。そこかしこに立派な材木や巨岩がはめ込まれています。
奥へ進むと大浴場の文字と、一つ一つ飾りの異なる部屋の入り口。扉に透かし彫りされた部屋名に合わせた凝ったつくりです。
お部屋の内部も勿論一つとして同じものはありません。傘のような天井や、ねじれた床柱、個性ある樹種や石の組み合わせが丁寧に配されています。トイレも廊下もそれぞれ斬新なデザインが施されていて、見ていて飽きません。
一階の奥には大広間があり、旅館でのお楽しみ、おきまりの宴会も開催できます。
高層マンションが林立するこの一帯で、よくここまで大きく立派な旅館が今の時代まで残っていたものです。ここも残念ながら閉館後は解体され、マンションになる予定とのこと。
銭湯もさることながら、地域の特徴を支えてきた歴史ある空間がまた一つ消えていくのはなんとも寂しいことです。この地域に長く根付き、歴史を支えてきた「朝陽館」。皆様、残りわずかではありますが、ぜひ機会がありましたら体感されてください。(私たちもお別れ合宿を実施しました!)
※私たちの取材も、地域マガジン「空」にて掲載した記事として当HP上にてご覧になれます。