惜しまれつつも来月3月末に閉館予定の創業112年、本郷の老舗旅館「朝陽館」(ちょうようかん)に皆で取材に行ってきました。
文京区の産業といえば、印刷業、医療系、に加え、一時は100軒以上もあった旅館業が挙げられるでしょう。その旅館も当時の風情を残すものは、この朝陽館と鳳明館のみとなってしまいました。
かつて岐阜から上京した朝陽館の先代が、この地に旅館を開き成功したことから、岐阜から担い手が多く続き、この地に旅館業が発展していったそうです。
つまり、この朝陽館は本郷の旅館の歴史を開いたパイオニア。
かつては多くの修学旅行生が訪れ、後楽園スタジアム(現・東京ドーム)も近いことから広島カープの定宿になっていました。かの有名な手塚治虫がよくここの一室で缶詰になっていたとのこと、その部屋も変わらず現存しています。
後楽園スタジアムや地域周辺を回る修学旅行生たちの行程表が残っていたり、合宿で訪れる男子学生のために男女風呂が両方男風呂になるようになっていたり、当時の賑わいを感じさせます。
今や、東京ドームのコンサートにくる女性ファンたちや外国人客も増えているそう。
一室一室きちんと分かれているホテルよりも、襖に障子の方が他人同士でも楽しいムードが共有できて喜ばれるそうです。
改めて、後楽園・本郷周辺と渾然一体となって発展してきたこの地域産業「旅館業」の尊さを感じました。
レポート②につづく…